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 つけっぱなしのテレビから、土曜の夜のバラエティ番組が流れている。 最近売れ出した芸人が、合コンの話で面白可笑しく笑いを取っていた。 「あー彼女ほしー」  西沢が横目でテレビを眺めながらローテーブルに頬杖を付く。 「別れたばっかじゃん」 「そうなんだよー。俺ほんと長続きしないんだよな。振られてばっか」 ため息をつく西沢に、俺は苦笑いを返すことしか出来ない。  こいつの彼女はこの半年で三人も変わっている。その割には失恋を引きずらないメンタルの強さを、俺はある意味尊敬している。  へらへらしているけれど、西沢は顔も悪くないし意外にマメだしいつも陽気だ。  どうして長続きしないのか不思議で、大学の廊下ですれ違った西沢の元カノに聞いてしまったことがある。 「西沢と別れたんだって?」 「…あ、うん」 俺の無神経な質問に、ナツミちゃんは曖昧な笑みを浮かべた。 「理由聞いてもいい?お似合いだと思ってたから、意外でさ」  単純な好奇心だった。 彼女は目を伏せると、唇をかすかに震わせる。 「言わないでね。…西沢くんの癖が」 「癖?」 「…ちょっと、怖くて」
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