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気がつくと、私は神社の階段を上り始めている。
怖い!上りたくない!誰か、誰か助けて・・・
妹のひんやりした小さな手が私の足首をつかんでいる。
階段の上を見上げると、鬼のような顔をしたお母さんが立っている。
「マイちゃんと遊びに来たの?マイちゃんと、ここで遊ぶの?」
「違う。私は家へ帰りたい。真っすぐ家に帰りたいの。」
「マイちゃんを一人残して、アンタだけ帰っていいの?」
お母さんはギラギラした目で私をにらんでいる。
「おねえちゃん。マイといっしょに遊んで。早く階段上って・・・」
とうとう一番上の階段まで上ってしまった私の足首に、ひんやりとした妹の手が絡みついてきた。
ギラギラと真っ赤に血走った目を見開いた母の腕が、私の首に伸びる。
誰か・・・私を助けて・・・
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