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「・・・何とかならないですかね」
「そうねぇ」
かといって、彼の素性がバレたら野次馬達が押し寄せる可能性もあり、一般病棟も厳しいものがあるだろう。その懸念は既にしているのか、師長も難しい顔をして考え込んでいる。
「・・・歌姫」
「は?」
しばらくして、彼女から出てきた言葉はそれだった。聞き覚えのない呼称に首をかしげると、師長は晴れ晴れとした表情で登戸を見る。
「碧先生をこの病院に紹介した、院長の姪御さんが今特別室にいるらしいのよ。そこなら、ベッドを入れる余裕もあるんじゃないかしら」
「ああ」
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