清経

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 能楽宗家の桐生家。元々、桐生は本家の人間ではなく傍流の出だ。  そんな桐生が演舞の筋を見込まれただけでなく、本家の一人娘である妻に見初められ た流れで、桐生は彼女と一緒になり流派を継ぐことになった。  ただ、そんな桐生の襲名に反対する人間もいたことは事実だった。 「・・・どこから話せばいいかな」  憂鬱な気分でその言葉を反復するが、答えは返ってこなかった。
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