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「お待たせ~、覚悟は決まった?」
約十五分後、彼女はやってきた。
「・・・」
何も言えずにいると、その意を汲んだように彼女は桐生の前で茶をティーカップに注ぎ始める。
「はい、どうぞ」
出されたそれを一口口に含めば、桜の香が感じられた。
「落ち着いた?」
「・・・ええ、まぁ」
かといって、何から話そうか。未だに躊躇いが凌駕する。
「・・・『桐生家のお家騒動!事故ではなく殺人か?!』」
「え」
いきなり告げられたその言葉に驚き、桐生は日生を見た。
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