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「いきなり何・・・」
「売店に行った時、週刊誌にそうアオリが出てただけだけど。その様子じゃあアタリ?」
そう言って、何食わぬ顔のまま彼女もティーカップに口をつける。そして、こくりと喉を鳴らすと、意味ありげな視線を向けてきた。
この子は、一体どこまで知っているんだ?
「ところでこのお茶、何だと思う?」
「は?」
「1、紅茶 2、緑茶 3、中国茶。さぁ、どれ?」
いきなり問われたその質問の意味が分からず狼狽えていると、彼女はそれに構わず矢継ぎ早に言葉を重ねる。
「・・・3、中国茶?」
「ハズレ~。正解は、2の緑茶でした~」
とりあえず口にした答えに、彼女は容赦なく不正解を与える。試しにもう一口口をつけると、桜の芳しい香に紛れて仄かに香ばしい香を感じた。
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