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「お恥ずかしい話、僕が襲名する時に揉め事があってね」
「あー・・・。なんか、そこら辺は面倒臭そうだね」
驚いた様子もなく彼女は呟くが、実際面倒な話であるから笑えない。
「奥さんは本家の人間なんだけど、僕は傍流。そのせいで、未だに僕を『相応しくない』って思ってる人間もいるんだ。
その筆頭が、奥さんの叔母様」
「・・・そこら辺の心理分析も面白そうだけど、止めとくわ」
下手に情を寄せたりすれば増長するのは目に見えているので、そこには頷いておく。
「多分、見舞いになんか来られたら、また小言を言われるんだろうね」
「小言で済めば、御の字だろうけどね」
呆れたようなその一言には、激しく同意するしかなかった。
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