序章 サラリーマン美少女になる

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今までエステルは森の外に出たことがなかった。そもそも出る必要性がなかったからである。その狭い空間の中で積み上げた研鑽はエステルの魔術を至高と呼ばれる域にまで昇華させていた。 「つくづく思うんだが、お前の魔術は異常だからな?」 この世界でヘリアンサスがどれほど畏怖を集めている存在なのかは知らないが、エステルは魔術師としてほぼ頂点に君臨してしまったと言える。 「……エステル、学校に通ってみる気はあるか?」 ヘリアンサスからの突拍子も無い発案に数瞬考えるが、 「何を学ぶかによるね」 返す言葉は相手の真意を読むための返し。そもそもこの世界は男尊女卑の極端に激しい世界である。そんな中で学校に通って得られるリターンなど殆どありはしないはず。ならば目的は何か他にあるとふんでいた。
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