4.

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 どういうことかっていったら、そういうことでしかない。  知ってしまったんだ、雄太(ゆうた)のせいで。時代は自由恋愛だっていうこと。俺が時代に追いつけないだけで、実は遙か昔から、みんな境界のない恋をしていたのだということ。  だから島田(しまだ)に説明するにも、ただただ「この子俺のことが好きでぇ~」と説明するしか無かった。他に方法が無かった。性別なんて記号に過ぎない。人と人とが好き合う中で、この子は俺のことを好きになってくれたのだ。  島田と、同じ理由で。  それを、庇いたくて。  庇いたくて、庇いたくて、なのに。 「賢治(けんじ)さん、行きましょうよ! 賢治さん……!」 「やめっ……! 待てって、柳之介(りゅうのすけ)!」 「ね、ねぇ、私、この子に嫌われてる?」 「嫌だ! この女の人やだよ、賢治さん!」 「――――っ!!」  一つだけ言わせて欲しい。  ここには、子供しかいなかった。それぞれが恋をしていて、自分の守りたいものを握りしめていて、それを、譲ることができなくて。  だから、俺は、大人げないんじゃなくて。  まだ、ろくに恋愛を経ていない、体が大きいだけの子供なのだということを。  その、情けなさを。 「――もう、やめろよ! 恥ずかしいんだよ!!」
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