36人が本棚に入れています
本棚に追加
/122ページ
2.
恋愛 男同士
小学生 恋愛 男子
小学生 初恋 誰
男性カップル
男同士 セッ――
「……はぁ~~~~……」
細いため息が、教室の喧噪に消えていく。
机にだらりと寝そべりながら俺は、検索欄に入力しかけた言葉を、ぷちぷちと消していった。なに考えてんだ、バカ。
無理難題が過ぎる。オーソドックスな恋愛経験も少ない俺に、どうしろと。
「どぉした、賢治ィ。ため息吐くと幸せが逃げてくぜ~」
「……雄太」
今時誰がそんなの真に受けるかよ、と言い返してやりたかったが、そう言い返す元気もなかった。相当きてるな、と自分でも思う。
雄太は俺の前の席にドカッと腰を下ろすと、小学生の時から変わらない、大きな体の腕白な顔に、ニカッと子供っぽい笑みを浮かべる。
「なんか、朝から様子おかしくね~? なんかあったん?」
さすが幼馴染とでも言うか。いや、幼馴染じゃなくとも、こいつは意外と人の機嫌に敏い方だと、何年も一緒にいればわかる。そしてその見た目に似合わず、天然の不思議ちゃんキャラだということは、小学校の同窓生で知らない者はいない。
こいつ、なら。
「……雄太」
「ほう?」
「あのな――」
最初のコメントを投稿しよう!