55人が本棚に入れています
本棚に追加
「......なぁ、アオ...」
「シュウはさ」
家に着いて、くつも脱がず家に上がる紺を見つめて話そうとすると、すぐに遮られた。
「...なんだよ」
「友達、いないの?」
先を歩いていた紺は音もなく振り返る。その顔には何の表情も乗っていなかった。
「はぁっ!?お前いきなり俺をボッチ扱いしてんじゃねーよ」
真顔で突然何を言うんだ、と紺を睨む。
「はは、ごめん」
すこし笑顔になって、彼は言葉を続けた。
「じゃあおれと会わない方がいいと思う」
「は?なんかお前、さっきから訳わかんねぇ。それとこれとは話がちげーだろ」
「関係あるから言うんだって」
友達いるんならその子達と楽しく過ごしなよ、と軽く言って、彼はリビングに進んでいく。
「お前と、周りのやつはなんかちげぇんだよ...」
「なんか違うって、それこそ何なのさ。会って3日目、お互いのことなんて、何もわかんないだろ?」
「んなの、わかってるつーの...」
心にあった、周りのやつに感じる気持ちとは違うむしゃくしゃした感情を、恥ずかしいが隠さず伝えた。
しかしそれは紺の的を得た客観的な答えで消されてしまう。
(なんで、そんな否定すんだよ......)
柊はさらにもやもやして、腹が立ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!