知らないうちに居るアイツ

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知らないうちに居るアイツ

「あ、おはよ!」 「...不法侵入」 「えー?おじゃましますーっていったよ?」 「聞いてねぇ」 昨日夜歩きをして、帰ってからお風呂に入ってそのまま寝た。そして朝、目を覚ました柊の瞳に映ったのは紺の姿だった。 柊は不機嫌に返しながらむくりと起き上がる。 (ちっ、勝手に帰ったくせに勝手に上がってきやがって) しかしこの現代で連絡すらとれない彼と、思ったよりすぐに再会できて安心している自分もどこかに感じて、むしゃくしゃした。 「お前、普段何してんの?覗き?」 「やるねぇ、覗き。普通人には見えないからね、何しててもバレないもん」 「うわ、マジかよ、趣味わる」 話しながら適当に顔を洗って歯を磨いて、コーヒーを作る。実はあまり苦いのは好きじゃないから牛乳で割った。 後ろからは相変わらず無音で紺がついてくる。けらけら笑い声や話し声は聞こえるのにとても変な感じだった。 「俺、今日暇だけどどっか行く?」 このまんまじゃなんとなく間が持たなくて、だからといって紺と出来ることは限られている。なので柊は紺を散歩に誘った。 「あ、いいよ、おれ上野行きたいなぁ」 「はいよ」 柊はまたまた適当に食パンなんかを食べると、支度を済ませ、紺と一緒に家を出た。
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