余命宣告

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 そうだ、俺は、倒れて……どうなったんだ? 「二宮さん、わかりますか? ここ、病院ですよ」  お、可愛い。――じゃなくて。  看護師さんと思われる人が俺に話しかけてきた。  病院か、そうか。  どうやら俺はあの後奇跡的に同じアパートの人に見つけてもらい、救急車を呼んでもらえたらしい。  最近徹夜でゲームしてそのままバイト行って、あんまりよくない生活してたからな。  これからは少し気を付けるか。  そう考えてすぐに立ち上がろうとする。 「あ、ちょっと! 待ってくださいって!」  さっきの可愛い看護師さんに必死に止められる。 「え、帰っちゃダメなんすか?」 「か、帰る!? 絶対だめです! 今先生きますから、待っててください!」  そう言って看護師さんは走って行ってしまった。  何をそんなに慌てているんだか。  1人きりになったところであたりを確認する。  確かコンビニに行こうとしたときはまだ昼過ぎだったはず。  でも窓の外はもう真っ暗だった。  次に自分の腕を見ると点滴が刺されていた。 「栄養剤かなんかか?」  管を辿り、その先の液体が入った袋を見たが、その正体はわからなかった。  周りを一通り見終えると、タイミングよく医者らしき人が入ってきた。  そしてその後ろには、 「か、母さん!?」
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