モブくんはいつも彼女さんの瞳の中

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まあ、そんな日々は、まだ良くて。 大好きなバスケットボールで、結果を出せないことが、ちょっと悲しかったです。 パスを受ける時も、名前を呼ばれない。 声援に、僕の名前はない。 「桐生院、頼む!」 「桐生院様!」 「きゃああああ」 「逆転だああああ」 いつも名前を呼ばれるのも、なにかを生み出すのも、きらきらした人なんです。 奇跡的な逆転をして、因縁のある強豪校に勝利。 しかし、エース・桐生院流ノ介の怪我により、次の試合にはぼろっかすに負けてしまいました。それが僕の、高校の引退試合。 僕は劇的な試合も、引退試合も、ベンチに居ました。 顔と名前がぱっとしなくて、腕は悪くないが、使いづらいのが理由らしいです。
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