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(オレの剣はまたイシュメルに届かなかった……。
いくら願っても、オレの弱さは変わらない。
オレは暗闇の未来を変えられない……)
死神の鎌で背中を刺されたチェスターは、そのまま地面に倒れ込み、動くことができなかった。
チェスターは自分の死がすぐ近くにあることを感じながら、暗闇の大地に血を吐き出した。
「残念じゃな、青い瞳のミルド人。
貴様の剣はワシには届かん。
なぜならそれが貴様の実力だからじゃ」
チェスターにはもうイシュメルの言葉に反抗する気力もなかった。
どうせ自分の死が確定しているならば、できるだけ早く殺して欲しい。
自分は大きな夢を抱いたばかりに、なにも成し遂げることもなく十四歳で生涯を閉じる。
もしも奴隷のような身分を受け入れていたら、自分はもっと長く生きられただろうか？
もしも長く生きられたとして、自分はその生き方に幸せを感じれただろうか？
人はどうして生まれる場所を選べないのだろう？
どうして運命は皮肉にも自分を支配し続けるのだろう？
チェスターの胸の中にたくさんの思いが込み上げてきたとき、イシュメルの死神の鎌がチェスターの左足を突き刺した。
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