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「ジュナール族に逆らうことがどういうことか、貴様にちゃんと教えてやろう」
チェスターは左足に激痛を感じながら、イシュメルのしゃがれた声を聞いていた。
「簡単に死ねると思うな、青い瞳のミルド人。
ジュナール族に逆らう貴様はその身を持って、己の罪深さを知るのじゃ!」
イシュメルはそう叫びながら、今度はチェスターの右足を死神の鎌で突き刺した。
チェスターはその痛みに悲鳴を上げ、早く死ねることを願っていた。
でもイシュメルはチェスターに致命傷を与えぬようにチェスターの体を次々と死神の鎌で突き刺していく。
それはまるで拷問だった。
罪深き者にその罪の深さをわからせる罰だった。
チェスターは自分の体が壊れていくのを自覚しながら、自分の命が尽きるのを待っていた。
ジュナールの死神イシュメルは残酷さを極めた悪魔のような男だった。
イシュメルの行動には一切の慈悲がない。
チェスターは薄れていく意識の中で、イシュメルへの恐怖を感じていた。
ミルド人はイシュメルに逆らえない……。
チェスターはそのことを理解すると、ついに意識を失った。
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