終わりのない悪夢

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イシュメルのそのセリフは前に一度聞いたことのある呪われたセリフだった。 統轄棟の庭園でイシュメルとの戦いに破れたチェスターは、この聖なる部屋に連れてこられた。 そしてこの部屋でチェスターが目を覚ましたとき、イシュメルからさっきと同じセリフを聞いたのだ。 チェスターは恐怖の中で呼吸を乱し、ベッドから半身を起こすと部屋の中の様子を見渡した。 殺風景なコンクリート造りの部屋の中には、イシュメルの他にジュナール族の兵士が三人。 それは間違いなく自分が過去に見た光景だ。 だとしたらイシュメルが言う次のセリフが自分にはわかる。 チェスターは恐怖に怯えながら、イシュメルのしゃがれた声を聞いていた。 「青い瞳のミルド人。 ワシから貴様に問うてやろう。 貴様は自分がジュナール族の下位種族だと認めて、ジュナール族に服従を誓うか?」 チェスターはイシュメルのそのセリフを聞いて確信した。 自分は死んで、またこの世界に戻り、今からイシュメルに服従の洗礼を受けようとしているのだ。 そしてイシュメルの言葉に自分が逆らえば、自分はまた拷問のような苦しみの中でイシュメルに殺される。 イシュメルが「簡単には殺さない」と言ってきた言葉の意味をチェスターはようやく理解した。 おそらくジュナール族に服従を誓うまで、自分は何度でも殺されるのだ。 チェスターはそのとき、ジュナールの死神イシュメルの恐ろしさを知ってゾッとしていた。 自分は死ぬことさえ許されない。 このジュナールの死神の前では……。
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