終わりのない悪夢

5/13
81人が本棚に入れています
本棚に追加
/171ページ
「く、来るな!」 イシュメルがまた体からドス黒いオーラを放ち、チェスターはこれから起きることを想像して恐怖に怯えた。 自分はきっと、またあの暗闇の森に連れていかれ、拷問を受けるかのように殺されるのだ。 恐らくその地獄の時間はチェスターがジュナール族の犬になることを認めるまで続くのだろう。 死が簡単に訪れるなら、チェスターはこれほどまでに恐怖を感じないのかもしれない。 でも永遠の苦しみが続くあの幻のような世界は、本当に恐怖そのものだ。 チェスターはドアが開かないことを知りながら、聖なる部屋から逃げるために必死になってドアを引いていた。 ここから逃げなければ、チェスターに永遠の地獄が待っているから。
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!