終わりのない悪夢

6/13
前へ
/171ページ
次へ
「ひっ、ひひひ。 逃げようとしても無駄じゃ。 耐えられぬ地獄の苦しみの中で、ワシが貴様を殺してやろう」 イシュメルが放つドス黒いオーラがまた部屋の様子を変え始めていた。 チェスターがそれに気づき、パニックの中で怯えているとき、ジュナール族の三人の兵士たちがチェスターをドアから引き離し、部屋の中央へと押し倒した。 そしてジュナール族の兵士たちはドアのカギを開けて聖なる部屋を出ていき、部屋の中にはチェスターとイシュメルだけが残された。 その瞬間に聖なる部屋がまた暗闇の森に姿を変え、チェスターの足元にまた一本の剣が投げ込まれた。 チェスターが一度見たことのある不幸の前兆のこの光景に怯えているとき、イシュメルはしゃがれた声でチェスターにこう言った。 「その剣を拾え、青い瞳のミルド人。 それでワシと戦うも良し、この暗闇の森を逃げるも良し、貴様の思うようにすれば良い。 じゃが、これだけは言っておこう。 ワシは本気で貴様を殺す」
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加