82人が本棚に入れています
本棚に追加
「ひっ、ひひひ。
逃げようとしても無駄じゃ。
耐えられぬ地獄の苦しみの中で、ワシが貴様を殺してやろう」
イシュメルが放つドス黒いオーラがまた部屋の様子を変え始めていた。
チェスターがそれに気づき、パニックの中で怯えているとき、ジュナール族の三人の兵士たちがチェスターをドアから引き離し、部屋の中央へと押し倒した。
そしてジュナール族の兵士たちはドアのカギを開けて聖なる部屋を出ていき、部屋の中にはチェスターとイシュメルだけが残された。
その瞬間に聖なる部屋がまた暗闇の森に姿を変え、チェスターの足元にまた一本の剣が投げ込まれた。
チェスターが一度見たことのある不幸の前兆のこの光景に怯えているとき、イシュメルはしゃがれた声でチェスターにこう言った。
「その剣を拾え、青い瞳のミルド人。
それでワシと戦うも良し、この暗闇の森を逃げるも良し、貴様の思うようにすれば良い。
じゃが、これだけは言っておこう。
ワシは本気で貴様を殺す」
最初のコメントを投稿しよう!