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「強くなりたいと言ったな、チェスター・ロー」
リンジーはチェスターに冷たい目を向けながら、チェスターにそう言った。
「お前のようなクソガキでも、オレならば強くできる。
お前にその気があるなら一週間後、剣を持ってここに来い。
そしたら剣を教えてやる」
リンジーはそう言うと、チェスターの首に押し当てていた剣を引っ込め、チェスターに背を向けた。
そしてそれ以上はなにも言わずに、チェスターから離れていった。
チェスターは剣を教えてやると言ったリンジーの気持ちがわからずに、リンジーの背中に向かって叫んでいた。
「リンジー・ライアン。
どうしてオレを殺さない?
オレはジュナール族への反逆心を持っている。
それを知っていて、どうして?」
リンジーはチェスターの言葉になにも答えず、カサドラの森を去っていった。
チェスターは今日まで憎んでいたリンジーの気持ちを心の中で想像していた。
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