82人が本棚に入れています
本棚に追加
カサドラの森の中で、二人の剣が激しくぶつかり合う音が響いた。
チェスターは息を切らし、必死にリンジーに斬りかかったが、チェスターの剣はすべて振り払われ、一度もリンジーに当たらなかった。
そしてチェスターの一瞬の隙をついて、リンジーの強烈な蹴りや拳がチェスターに飛んできた。
チェスターはリンジーの重い攻撃をくらう度にカサドラの森の大地に倒れ込み、激痛の中で悶えていた。
チェスターは異能力者であったが、一度も異能の力を使わず、剣でチェスターを斬ることもなかった。
チェスターは本気ではないリンジーにボロ雑巾のように打ちのめされたのだ。
なぜこれほどまでに強いリンジーがジュナール族の犬に成り下がっているのか、チェスターにはリンジーの気持ちがわからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!