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「チェスターの言う通りね。
この世の中は間違っている。
でもね、チェスター。
私たちミルド族は、その間違いをすべて受け入れなくてはならないの。
私たちは弱いから……。
ジュナール族には勝てないから……」
チェスターは自分を抱きしめている母の体が震えていることに気づいていた。
母は悔しくて、泣きながら震えているのだ。
チェスターはそんな母の震えを感じながら、弱いことは悪なのだと思っていた。
ミルド族は弱いから支配されている。
ミルド族は弱いから自由を奪われている。
ミルド族は弱いから未来が闇に閉ざされている。
ミルド族は弱いから……。
ミルド族は弱いから……。
チェスターは涙を拭い、固い決意を胸に母に話しかけていた。
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