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伍
信じられないことが、次々に当たり前に起きた。
それでも、周はまた来たいと思ってる自分が少し不思議だった。
小さく笑って、振り返った周は再び言葉をなくした。
視線の先には見慣れたコンビニ。
走って通りに出る。
「どうして・・・・・・」
そこは周の家から、ほんの数分の場所だった。
確かに今日、周は学校へ行くべく電車に乗った。結局たどり着くことができずに途中下車をしたのだ。それなのに、砦誘鬼をでたここは、周の家のすぐ近所だった。
どこか狐にでも摘ままれた思いで、振り返る。
と・・・・、そこには雑居ビルの路地も砦誘鬼もなかった。
周は再び前を向いて、歩き出した。
自分でもよくわからないが、砦誘鬼にはまた行ける気がした。
その時はきっと。
空はまた、嬉しそうに笑うだろう。
戒は優しく微笑むだろう。
淨は、面倒そうに顔を顰めるだろう。
三蔵は、怠そうに欠伸のひとつもするだろう。
「明日は学校へ行こう」
誰に言うでもなく、呟いた周の足取りは軽かった。
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