第一章 人間の国 -ジゼトルス-

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第一章 人間の国 -ジゼトルス-

「よっと…」 健が先頭に立って神殿から出ると、そこは木々が生い茂る森だった。 広葉樹のように見えるが、どこか現界とは違うらしい。 足元に咲く花や草も見たことの無いものが沢山ある。 「ここはどこなんだ…?」 「こんな木々だけでは分かりませんね…」 「んー。とりあえず道に出会えるまで進んでみるしかないか…と言っても出会えるかんからんけど。」 「これだから筋肉バカは。そんな安直に行動して遭難でもしたらどうするんですか?バカですか?」 「筋肉バカというのは甘んじて受け止めるが、バカは違うだろ。」 「いや、どっちでもいいけど…昔神殿だったならどっかに古い道でもあるんじゃないか?」 「「………」」 神殿の周りを見て回ると草が生えてしまっているもののなんとか旧道と分かるくらいの道が見つかった。 「とりあえずこいつを辿っていくか。」 「「はい…」」 元気の無くなった二人と共に森の中を進んでいく。 神殿の側にいた時は凄く神秘的で美しかった森がこうしてみると不気味に見えてくるから不思議なものだ。 現状俺が使える魔法は火属性の魔法のみ。 こんな森の中で使えば山火事になり大変な事になってしまう。 それは避けたいとなれば俺は戦力外となる。 つまり二人が頼り。 どこの森なのかは全く検討もつかないらしいが、もし強いモンスターのいる森ならば即ゲームオーバーってことも十分有り得る。 そんな事を悶々と考えていると、健が何かを見つけた。 「お、あれは街道か?」 「えーっと…そうですね。」 「これはラッキーだな。」 どうやら現在も使われている街道を見つけたらしい。 木々の間に草が一切生えていない土丸出しの道が確かにある。 「これでとりあえず街には辿り着けそうだな。」 「どっちに向かって歩きますか?」 「んー……こっちだな!」 「なんでですか?」 「なんとなく?」 「やはり筋肉バカですね。」 「何が悪いんだ?!」 「安直だといっているんですよ。もっと真剣に考えて下さい。」 「じゃあどっちだよ?!」 「そ、それは…」 「ほーら!分からねぇんじゃねぇか!」 「うるさい!」 「ふぶぉ!?」 「あー。ここになんか書いてあるぞ。」 俺が見つけたのは街道の案内看板。 木でてきた看板に彫り込まれている文字。 見たことの無い記号の様な文字なのに、何故か読める。 「えーっと…こっちがテイキビ。そっちがジゼトルスだな。」 「「………」」 「まぁ、そう落ち込むな。それよりどっちに行くんだ?」 「ジゼトルスだな。会いたい人はそこに住んでいるはずだ。今も変わりなければだが。」 「ジゼトルスは人間の国ですね。もう一つのテイキビはドワーフの国です。」 「となると…こっちか。 そういや俺は真琴って名前のままで良いのか?」 「追われる身でって事か?それなら大丈夫だ。 前の名前は捨てたからな。」 「捨てた?」 「言葉通りだ。思い出しても使えない名前ならいらないって改名したんだよ。」 「思い切ったな…」 「戻したければ思い出して安全を確保出来てから戻せば良いさ。」 「んー…真琴で慣れてるからな…」 「ま、追追考えれば良いさ。」 「分かった。」 ガラガラ 後方から音が聞こえてくる。 振り返ると馬車が来ている。 なんか物凄い勢いで。 「おーい!!そこの奴ら逃げろー!!」 馬車の轡を握る男がこちらに叫んでいる。 逃げろと言われてもな… 馬車の後ろを見ると狼の様な何かが数匹追従している。 グレーの毛並みに角が一本生えた狼。 後から聞いた話ではグレーウルフと言うモンスターらしい。 そいつら三体が馬車を襲おうとしている。 「げっ…」 「ありゃそのうち追いつかれるな。」 「助けますか?」 「そうしたいのは山々なんだが火の魔法は使えないからな。」 「グレーウルフ三体くらいならば私達だけで十分ですよ。」 そう言うと凛が杖を振る。 「ウォーターショット!!」 凛の周りに出現した水の塊が凄い勢いでグレーウルフに向かって飛んでいく。 水は早く叩きつければコンクリートと同じ硬さになると聞いた事がある。 つまり凛はコンクリートの塊を射出したと言い換えても過言では無いわけだ。 もちろんグレーウルフはこちらに向かって走ってきているわけだしめちゃくちゃ痛いくらいじゃ済まないわけだ。 ギャンギャンと鳴いて転がったところに健が素早く駆け寄って三体とも切り伏せる。 つよー。この二人つよー。 ってか逆らったら死ぬんじゃないか俺? 「た、助かったー!!」 大きく安堵した声を出しながら馬車から降りてきた男は髭を生やし、身綺麗なところを見るに商人の様だ。 「ありがとうございます!助かりました!」 「いえ。」 「冒険者の方ですか?」 「まだ違いますね。」 「というとジゼトルスに向かって冒険者になるおつもりですか?」 「はい。」 「この辺りに村は無かったと思ったのですが…どちらから?」 「遠方から来たのですが、そこの森で迷ってしまいまして。今しがたこの街道に出てこられた所なんですよ。」 「そうでしたか…それは災難でしたね。」 「まぁ旅人にはよくある話ですよ。」 「ジゼトルスに向かうのであれば乗っていかれませんか?」 「いえ、手持ちが無くて…」 「そんなものいりませんよ!命の恩人に金を催促なんてしたら後世までの恥ですからね。」 「そんなに簡単に信じてしまって良いのですか? もし私達が盗賊だったりしたら…」 「本物の盗賊ならそんな事言いませんよ。それに、私はこれでも長く商人をしていましてね。悪い事を考えている輩なら目を見て分かります。」 「そ、そこまで仰っていただけるのであれば…よろしくお願いします。」 「はい!どうぞどうぞ!」 何やらトントン拍子で話が進んでいく。 「このグレーウルフはどうされるんですか?」 「あぁ、そうでしたね…持っていっても良いですけど…」 「出来れば私に売ってはいただけませんかね?」 「これをですか?」 「えぇ。素材も綺麗なまま討伐されていますし、それなりの値で買い上げられますよ? それに、街に入れば色々と入用になりますでしょ?」 「さすが商人だな。」 「それが商人ですので。」 「心遣いに感謝するよ。よろしく頼む。」 「はい!ありがとうございます!」 結局買い上げて貰う事にして、その場で素材を剥ぎ取る。 毛皮はもちろん牙、爪、骨等割と隅々まで買い取ってくれた。 肉もあまり美味しくは無いが売れるらしい。 「えーっと……金貨で三枚ですね。」 「金貨三枚?!高過ぎないか?!」 「私達に気を利かせて高く付けているのであれば…」 「そんなことはありませんよ。ここまで綺麗に討伐された個体三体であれば妥当です。確かに少しだけ色は付けてありますが、それは解体の代金としてお支払いしている分とお考え下さい。」 それにしても多少高く買い取ってくれているらしいが、わざわざ気を利かせてくれたのだ。下手に断るよりここは素直に受け取っておくべきだと金貨を三枚貰った。 凛の提案で銀貨三十枚と交換する。 因みに、銀貨は元の世界での一万程度、金貨は十万程度だ。 下には大銅貨、銅貨、上には白金貨があり、それぞれ千円、百円、白金貨は百万くらいの価値になる。 つまりいきなり30万手に入れたという事だ。 買い物で金貨を使う様な奴はいないらしく大きくても銀貨までらしい。 金貨を使うと目立つので銀貨にしてもらったわけだ。 この二人なら一日でかなりの額を稼げるなぁと考えると少し恐ろしくなった。 数時間馬車で走ると木々の合間を抜け、草原が広がる。 「見晴らしもいいし気持ちいいですね!」 「この辺りからはずっと草原で気持ちいい風が吹き抜けるんですよ。森を抜けてからはすぐなのでもう着きますよ。」 商人の言ったように少しすると大きな街が見えてくる。 外壁で中は見えないが大きい事は良くわかる。 門には商人や旅人、冒険者風の人も見える。 「ここで並んで中に入るんですけど…身分証ってありますか?」 「無いですね…」 「そうですか…大丈夫です。お任せ下さい。」 俺達の番になる。 「身分証を。」 「この三人は私の連れで身分証はまだ無いんですよ。」 「それじゃあ通せないぞ。」 「そこをなんとかお願いしますよ。」 「ん?んん……」 金を握らせている。 「中に入ったらすぐに身分証を作れよ。」 「もちろんです。」 「よし。通せ。」 門番ガバガバだなぁ…おかげで助かったが… 「ありがとうございます。」 「これくらいお安い御用ですよ。」 中に入れるらしい。 門を通り中に入る。 目の前に広がる光景は実に美しかった。 石造りの街並み、所々に見える魔法の道具。 家々を見るに中世ヨーロッパ風だが…井戸があったりと科学の存在が無いことを感じる。 「私達は早速冒険者ギルドに向かいます。」 「冒険者ギルドならこの大通りを中心に向かって行けば見えてくる大きな建物ですよ。見れば分かります。」 「ありがとうございます!色々と助かりました!」 「私の方こそ命を助けて頂いたので。それでは!」 商人と別れて3人で冒険者ギルドに向かう。 大通りは出店の様なものが出ていて所々から美味そうな匂いが漂ってくる。 しかし何をするにも身分証が無ければ始まらない。 いまは我慢してギルドに直行だ。 「は、腹減ったー…」 「今は兎に角身分証の作成です。」 「分かってるけどよー…」 「はぁ…」 「お?あれじゃないか?」 「ですね。大きな建物はあれくらいですし。」 冒険者ギルドらしい建物に入る。 天井は高く広いロビー。 丸テーブルと椅子もいくつか設置してありそこには冒険者らしき人達が座っている。 ま、ガラの悪そうな人達だ。 余計な事をするつもりもされるつもりも無いのでカウンターに直行する。 「どうも。」 「はい!こちらは冒険者ギルド、ジゼトルス支部です!本日はどの様なご要件でしょうか?」 受付の女性は黒髪セミロング、クリっとした目に小さめの背丈。 見るからに元気そうな人だ。 「えーっと、とりあえず冒険者として活動するのは初めてでね。」 「では登録からですね。あ……えっと、私はパルコ-トークスと申します!」 「これはどうも。」 本当は最初に名乗る手順なんだろう。気付いたように挨拶してくる。 「それではこちらの用紙に必要事項の記入をお願いします。」 「分かった。」 その場で書き込もうとして一瞬手が止まる。 俺あの記号みたいな文字書けるのか? 心配は無用だった。 知らないはずなのにどこからか脳裏に文字が浮かんできてそれを書いていく。 「えーっと…ま、こ、と?マコト様ですね。」 そうか。名前が前に来るからそっちが家名になるわけだ。 ま、良いか。 「あぁ。」 「それではここに一滴血をお願いします。」 ドッグタグのようなプレートと針を差し出される。 言われるままに血を垂らすがこれなんの意味があるんだ? 不思議に思っていると凛が横から耳打ちしてくる。 「人は大小ありますが、必ず魔力を持っています。それを確実に認識する為に血を使うんですよ。」 つまり健にも魔力自体はあるわけだ。 魔法として使うには少ないと言うだけで。 「はい!ありがとうございます!これで登録は完了です!冒険者としての活動に関しては説明致しますか?」 「あぁ。頼んでいいか?」 「はい! まず、皆様は初めてですので、冒険者ランクはGになります。 このランクは依頼書に啓示されている依頼ランクと連動していて、一つ上のランクまで受けることが出来ます。つまりFランクですね。」 「ランクはどこまであるんだ?」 「Aまで上がってその上にはSランクがありますが、Sランクの冒険者はほとんどいませんよ。」 「へぇ。」 「モンスターにもそれぞれランクが振り当てられています。同ランクのモンスターであれば基本的に大丈夫とされていますが、あまり高いランクのモンスターを相手にすると非常に危険ですのでお勧めしませんよ。」 「自殺願望は無いから大丈夫だ。」 「モンスターのランクは一覧がありますが…覚えるのは大変です。」 「ま、ボチボチやってくよ。」 「依頼は掲示板に掲載されていますので、受けたい依頼を剥がして持ってきていただければこちらで処理します。」 「分かった。」 「採取等の依頼から受けることをお勧めしますよ?」 「ありがとう。参考にするよ。」 「他に何か聞きたい事はありますか?」 「都度聞くよ。ありがとう。」 「ありがとうございます!」 カウンターを離れて早速掲示板とやらを見てみると本当に多種多様な依頼が張り出してある。 採取、討伐、護衛なんてのもある。 「折角だしパルコさんお勧めの採取依頼でも受けてみるか?」 「そうですね…あ、これなんてどうですか?」 「なになに…ヒル草の採取?」 「ヒル草というのは回復薬の元になる植物の事です。すぐ近くで採取出来ますし。」 「おいおい。あいつ女連れで採取だってよ。情けねぇなぁ!!」 「ひょろひょろの棒みたいな奴なんだから仕方ねぇだろ!」 「貴様ら…」 「いや、待て待て。そこは凛がキレる所じゃないだろ。」 「しかし真琴様を侮辱して生きて帰すなど!」 「生きて帰すの。そんな事でキレてたらこれから先何人殺さなきゃいけないか分からないだろ?」 「しかし…」 「しかしもカカシもありません。」 「う……」 「なんだなんだ?言い返す度胸も無いのか?こりゃダメだな!おいそこのお嬢ちゃん!俺達と一緒に来いよー!」 よくある事なのか周りは嫌な目をしてみているものの止める気は無いようだ。 ま、触らぬ神に祟りなしだろうな。 別に貶されるくらいどうでもいいし好きに言ってくれて構わない。 それより目立つ方が怖い。 さっさと依頼書を出して立ち去ろうとすると絡んできた男達のうちの一人が凛の腕を強引に引っ張る。 「俺と一緒に行こうぜー!」 「は、離しなさい!」 ブンッ 「え?………うぎゃぁぁああ!!おれの手がーー!!」 「お叱りは後で受けるが、真琴様も今のはやれと言うだろ?」 「良くやったよ。健。」 いくら貶されても罵られても良いが唯一許せない事がある。それは凛と健を貶したり手を出したりされる事だ。 それは健も同じ気持ちだ。 普段はいがみあっている二人でも大切な仲間という認識に違いは無い。 抜き出した刀で男の腕を切り落とした。 「なっ?!何してやがる!!」 ドタドタと五人が立ち上がる。 「いくら貶されても無視してやろうとしたのに凛のに手を出したりするからだ。」 「いでぇよぉ!俺の腕がァ!!」 「健。」 「あぁ。」 ザンッ ゴロリ 腕を無くした男の頭が床に転がる。 「こ、殺しやがった…」 「この野郎!!」 「なんだ?殺される覚悟も無いのに人に突っかかってんのか?」 「殺す事は無かっただろ?!」 「人の嫌がる事をしてんだ。それくらい覚悟しておけよ。」 「殺してやる!!」 「凛、健、ギルドの設備を破壊したらダメだぞ。汚しても。」 「分かっていますよ。」 ギルド内での戦闘は禁止されているかもしれないが…まぁ売られた喧嘩だし。 「待って待って!!こんな所で暴れないで下さいよ!!」 「やっぱりダメだって。」 「表出ろや!!」 「そうなるわな。」 結局ギルドから追い出されて表の通りに出る。 殺気立った奴らが出てきたなら自然と道は場所を開ける。 周りに人集りが出来て大分目立ってしまっている。 三対五。 普通に考えたら不利な状況だが…俺含めて下がる気はない。 「殺してやる…殺してやる…」 ブツブツ言いながら各々剣や杖を構えている。 「死ねぇーー!!」 「お前の相手は俺だ!」 「私はあの魔法使いでもやりますね。」 「こっちに来て初めての戦闘がこれかー…」 健が相手にしているのは直剣を持ったゴリラみたいなやつ。 健の腕は知らないが、見る限り圧倒的らしく、余裕の表情だ。 凛は……なんか既に相手の魔法使いをやってしまったらしい。 残る三人が俺に向かってくる。 何故か凛さんキラキラした目で俺を見ている。 助けてくれる気は無さそうです。 助けてよ?! 言ってられないし魔法を使ってみよう。 イメージは火球。 三人だしそれを飲み込めるくらいの大きさにして…温度も高めが良いはず。 「お!出来た!」 俺が杖を前に突き出すと特大の火球が出来上がる。 「おいおい…ファイヤーボールのデカさじゃないぞ…?」 「真琴様なんですから当然ですよ。」 「まぁ、そうか。」 「な、なんだこいつ……」 「や、やべぇ!逃げろ!」 言い終わる前に射出された火球は三人をまるっと飲み込む。 ジュッという音がして断末魔も無く綺麗に三人が消え去る。 「な、なんだありゃ…」 「あれは第六位のフレイムヘルじゃねぇか?!」 「嘘だろ…あんなガキが第六位?!」 周りで見ていた冒険者やその他諸々がザワつく。 フレイムヘルってなんぞ? 「第六位の魔法と間違えられているようですね。」 「ただのファイヤーボールだろ?」 「というか真琴様は単純に大きな火の玉作ろうとしただけだと思います。それがファイヤーボールだっただけですね。第一位の魔法であの威力…フレイムヘルと間違われてもおかしくない威力でしたからね。」 「なになに?皆ザワザワしてるけど…第六位って真ん中より一つ上でしょ?なんでそんなに驚いてんの?」 「第六位ともなると上級魔道士が使う魔法ですよ。」 「そうなの?!ってか俺そんな魔法使ったの?」 「いえ、今のは第一位のファイヤーボールですね。威力は桁違いですけど。」 「そうなのか?」 「普通はもっと小さいですしあんなに高熱にはなりませんよ。」 「基準が分からん……」 「真琴様ですから。」 「真琴様だからな。」 「その常識知らずの代名詞みたいな使い方やめて貰えませんか?!」 「おい。」 「ん?」 振り向くと顔に大きな傷を持った茶髪短髪の男が立っていた。 「どちら様でしょうか?」 「このギルドのギルドマスターだ。騒がしいから出て来たら何してんだ。」 「いや、あそこの奴ら…三人消えたけど。が、絡んできてやり過ぎたから。」 「とりあえず中に入れ。」 いやー。なんか怖いこのおじさん。 おずおずと着いていくと個室に連れていかれる。 「とりあえず座れ。」 「あぁ。」 「二人も座れ。」 「私達は従者ですので。」 「従者?どっかのボンボンか? まぁいい。とりあえず俺はギリヒ-ドーム。ギルドマスターだ。」 「真琴と言います。」 「登録された情報は聞いている。」 「はぁ。」 「何があったんだ?」 事の成り行きを話す。 「なるほどな。経緯は分かった。 だが、やり過ぎだろ。」 「そうか?あの感じ一度や二度じゃ無いし他でも悪い事をしてるのは明白だろ。」 「それにしてもやり過ぎだ。」 「真琴様を侮辱したのですから当然です。」 「どっか壊れてんなお前等。」 「酷い言われようだ…」 「まぁいい。あいつらには周りの冒険者やギルド職員も困っていたからな。今回は大目に見るが、次からは殺すな。」 「はーい。」 「まったく…分かってんのか?」 「もちろんでありまーす。」 「まぁいい。 それより本題は別にあってな。」 「??」
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