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終盤に差し掛かるとフリータイムになった。颯爽とバスケを始める生徒や2階のギャラリースペースに向かう生徒など様々だったが、大体は顔見知りで固まっているので1人残されてしまった。寂しく佇んでいたら、廊下に1人でいる高橋くんを見つけたので遊びに行くことにした。
近づくと高橋くんの前に3、4人の女子がいた。何が好きだとか何組だとか質問責めにされているらしい。入学早々マークをつけようとするがめつさには呆れるけど、この空間に割って入るのも嫌で引き返した。
特にすることもないのでギャラリーからバスケを眺める。残念ながら運動神経が悪い自分からすれば地獄のように見える遊びだがやっている生徒たちは爽やかに汗をかいている。
一際上手い生徒を見ていたらなんだか目が合った気がした。
バスケを見ているうちにフリータイムが終わったのでホテルに移動となる。山道を徒歩で移動するのでない体力を絞りながら歩いていると肩に手が置かれた。
「清野バテバテじゃん。」
「バテてるんじゃなくてゆっくり歩いてるんだよ。あんまり飛ばすと一瞬で着いちゃうからね。」
ちょっと虚勢を張ってまだやれる感を出してみた。
「飛ばす体力ないだろ。」
そう言うと高橋くんは笑いながら僕の頭をわしゃわしゃしていた。うむう、俺ぐやじいでず…。
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