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城ヶ崎かほる《ジョー》の奮闘
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[14:22]
ここは猫カフェ『nail of a cat』
ジョーは待ち合わせのためにこの猫カフェにやってきたのだ。
待ち合わせの相手は彼氏であるフィリップかと思いきや、実は違う。
今日のデートの相手は、霧島王子。
しかもフィリップには内緒の逢瀬なのである。
王子からのメールにはこう書いてあった。
『午後2時22分、猫カフェの窓際の席で待ってる』
猫カフェで待ち合わせだからか、待ち合わせ時間も『にゃんにゃんにゃん』だということに気付いてニヤニヤしてしまうジョー。
早速、窓際の席へと向かった。
そこにはもう既に待ち人が……。
「えっ!ええええ!?どっどっどうして、敏光様が???」
そう、なぜかそこにはあの癒しのスペシャリスト、敏光様がちょこんと座っている。
そういえば以前、フィリップと一緒に王子とアンディがいるファミレスに行った時にも似たようなことがあった。
王子が敏光様と入れ替わってしまったとアンディが大騒ぎしたことが。
あの時はただの勘違いで実際は入れ替わっていなかったけど、今回は王子の姿がどこにも見当たらない。
店内にはジョーと敏光様だけだ。
(店員もいないし、猫カフェだというのに猫すらいない)
「敏光様、敏光様っ!あなたは本当に敏光様?もしかして、中身は王子だったりしませんかっ!?」
しかし敏光様は微動だにしない。
黙ったままジョーにも反応を示さない。
まるで、置物みたいだ。
緊急事態だと判断したジョー。
敏光様をヒョイと抱えあげ、猫カフェから出て一目散に駆け出した。
「フィリップ先輩ー!大変、早く敏光様と王子を元に戻してぇぇぇ!!」
内緒で王子とデートしようとしていたことは都合よく忘れ、助けを求めてフィリップの元へと急ぐジョーだった。
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