第2章 蒼月の瞳

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「────……」  眩しい陽射しに目を覚ますと、小舟の上で横になっていた。ハッと起き上がった詩季の周りには木の実が散乱している。植物図鑑でも見た事がある、人間が口にしても害がないものばかりだ。 「これ……」  小舟は学園側のほとりまで近付き、ユラユラとそよ風に揺られていた。  森の中でブルームーンの怪我の手当てをしていた筈だが、いつの間にか気を失ってしまっていたようだ。  学園の反対側には死灰の森が広がり、気を失う前と同じ景色がそこにあった。
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