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放課後、校門で待ち合わせをして先輩と駅の近くのカフェに行った。
「好きなもの頼んでいいからね。」
「ありがとうございます!ちょっともやもやしてるので、やけ食いさせていただきます。」
遠慮なく、ケーキセットと追加でもう一つケーキを頼んだ。横暴に振舞えば、次からは誘われないはず。
「ふふふ、ほんと面白いね。私も同じケーキセットにしようかな。」
「えー…。」
不思議な先輩だった。今思えば、なんであんな部活にいたのかわからない。もっと文化部が似合いそうな雰囲気だ。
「先輩は部活楽しかったですか?」
「楽しかったよ。運動するのは好きだし、楽しい子が多かったし。ちょっと残念だったといえば、練習のやり方だったり、顧問の先生に色目を使う子が多かったことかな。」
「あー、そうですね。確かに多かったですよね。」
「あなたもでしょ?」
ドキリと、心臓が痛む。なぜバレた。
「そんなことないですよ?私と先生ってそんなに絡みがなかったと思いますけど。」
「ふふ、あなたって嘘をつくのが下手なのね。…もしかして、先生の『本命』はあなたなのかしら。」
「…いやいやそんなことないですよ。」
ヤバイ。ヤバイヤバイヤバイヤバイ。
「ふふふ、困った顔も面白いわね。…大丈夫よ。別に私は何もしないから、安心してね?」
「ほんと、何にもないですよ?」
「この話はそろそろやめておきましょうか。ほら、ケーキが来たわよ。一緒に食べましょ?」
ケーキとカフェオレが運ばれてきた。
頼んでおいて言うのもおかしいが、二つのケーキは今の私には重く、胃もたれしそうだった。
ケーキを食べながら、先輩は終始楽しそうだった。
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