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月末の夜
月末が近づいてきた。
そわそわする。
先生からのメールを、私はドキドキしながら待つ。
『次の土曜日、ウチに来ても大丈夫ですよ。』
『奥さんはお出かけですか?』
『彼女は別の男の家にお泊りだよ。数日は帰って来ないでしょう。』
『じゃあ泊まりなんだ。…寝不足になりそう。』
『泊まるんですか?』
『違うの?』
てっきりお泊りだと思ったのに、先生にはその気がなかったのだろうか。
せっかく新しい下着も買ったのに。
『泊りは少し難しいかもしれません。私も持ち帰りの仕事がありますので。』
『また仕事ですか。ちゃんとご飯食べてますか。どうせコーヒーばかり飲んでいるんでしょう?』
『栄養は摂っています。そんなに言うなら君が作ってください。』
私はこんなことでもうれしく思ってしまう。
けど、想いの差をどうしても感じてしまう。
私だけが想いに振り回されているようで、少し腹が立つ。
『じゃあ泊まって朝ご飯作ります。』
だからこそ、困らせたい。困った顔を見ていたい。
私だけに向けてくれる表情を、独占したい。
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