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夜まで、先生は仕事に付きっ切りだった。せっかく遊びに来てるのに、なんてことは思わない。先生の日常の一部を共有できるだけで、私は十分だった。
「ご飯作るね。」
「冷蔵庫のものを適当に使ってください。食材はある程度は用意してるので、好きなものを作ってください。」
「先生は辛いの大丈夫でしたっけ?」
「…苦手です。知っているでしょう。」
少し、いじわるをしたくなった。辛い物を作ろう。家にあった麻婆豆腐の素をこっそりもってきたのでそれを作ろう。
「先生は仕事もうすぐ終わる?」
「…あと少し、でしょうか。読みたい資料もありますが、まあそれは今度でもいいでしょう。」
「ごはん楽しみにしててくださいね。」
「それより先に、コーヒーのおかわりをいただきます。そっちへ行ってもいいですか?」
「だめ。何作ってるかバレるじゃん。」
「…そうですか。では待っていますね。」
私は幸せを感じながら、ご飯を作った。
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