月末の夜

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結局、寝不足になることはなかった。 朝は先生よりも早く起きてご飯を作ろうと思ったのに、先生の方が起きるのが早かった。 「…おはようございます。」 「おはよう。いつまでも裸じゃあ冷えますよ。」 「まじまじ見ないでください。変態。」 「理不尽な。…そろそろご飯ができますよ。」 「先生料理できたんだ。」 「学生の頃は自炊していましたからね。片づけが面倒なので、最近はしませんが、今日は特別です。…また辛い物を作られては困りますから。」 「朝からそんなのは作らないのに。」 「君は突然何をするか分からないですからね。この前だって、急に監禁されたいとか言い出しますし。」 「あれは、本気です。」 「本気なんですか。ここは冗談ですと言う場面でしょう。」 「だって、そうでもされないと、先生に本当に好かれてるか分からないんです。」 「君のことは特別に感じていますよ。」 「そうやってすぐごまかす。ストレートに好きとか愛してるとか言ってくれればいいのに。」 少し、わがままが過ぎるだろうか。特別といってくれるだけで、十分なはずなのに。 「…そうですね。それじゃご飯の後で、話し合いをしましょうか。」 「話し合い?」 なんのことだろう。 まさか、別れを切り出されるのかな。 少し、不安になってきた。
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