一から百まで

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理科準備室に、先生はいなかった。 コーヒーの香りがまだしている。ビーカーには温かいコーヒーがまだ残っている。トイレかな。少し待っていれば帰ってくるかも。 けれども、先生はなかなか帰って来なかった。 「…先に行って待っていようかな。」 先生に一応メールを送ってから帰ることにした。 「…またか。」 下駄箱に、また封筒が入っていた。 今日はこの前までのとは封筒が違っている。 茶封筒で、糊でしっかりと封がされている。どうせまた気持ち悪い文だと思って開封してみて、私は焦った。 「…えっ。」 封筒には、手紙と一枚の写真。写真は、私と先生が一緒にいる所を撮ったもので、手紙には、「愛しています。」とだけ書かれていた。 誰かに見られないように、すぐカバンの中に押し込めた。
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