暗い檻の中

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「先生。」 「なんですか?」 「…お風呂に入りたいです。」 「…そうですね。健康面で考えても、そろそろ入浴した方がいいかもしれませんね。」 監禁生活が始まって、十日が経った頃、入浴が許可された。 先生は、私に近づくと首に何かを巻き付けた。皮のような感触。 「先生、これは?」 「首輪です。誤って外にでてしまわないように、念のためつけさせてもらいます。」 「…先生も一緒に入ろ?」 「…それもいいかもしれませんが、今日は遠慮しておきましょう。君の身体を丁寧に洗いたいですし。」 「それなら一緒に入った方がよくないですか?」 「効率か非効率かで言えば、非効率かもしれませんね。…ですがペットと一緒に風呂に入る人はいないでしょう。」 「えーひどい。私はペットなんですか?」 「そうですよ。君は僕のペットです。」 先生の、ゆがんだ愛情表現だと私は思うことにした。 両腕の拘束も、目隠しも外してもらえなかったけど、風呂場まで歩いて連れていかれた。 衣服を脱がされた。この時になってようやく、私が着ている服は監禁された日に来ていた服じゃないことに気づいた。布でできているけど、マジックテープで継ぎ接ぎになっている服で、腕が拘束された状態でも脱いだり着たりできるみたい。 風呂場の冷たい床に座らされた。シャワーの音、少しして、温かい湯が私の身体にかけられる。 縮こまっていた私の身体は、ほんのひと時の温かさでもほぐれていくようだった。
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