放課後のカフェ

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『今日はモテモテでしたね。』 先生にメールを送る。 『女子高生に抱き着かれてうれしかったですか?』 ベッドの上で寝転んで、返信を待つ。 『僕はそこまで欲情的ではありませんよ。』 『私とはあんなことしたのに?』 『君は特別です。…妬いているんですか?』 君は特別。 その言葉だけで、満足だった。スマホの画面をみながら、ニヤけてしまう。 『妬いてないです。…嘘です。人前で先生に抱き着く先輩が羨ましかったです。今度私も学校で抱き着いていいですか?』 『…シャレにならないのでやめてください。代わりに、月末にウチに遊びに来るといいよ。』 『やらしいことするんだ。』 『君がそれを望むなら。僕はいいですよ。』 『…冗談です。月末を楽しみにしています。それじゃあお休みなさい。』 ほんの些細なメールのやり取りで、私はこんなにもドキドキしている。 それだけで、自分がまだ子供で、相手は大人だと思い知らされる。 「早く大人になれたらな…。」 スマホを握りしめたまま、私は眠ってしまった。
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