あなたへ

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あなたへ

君のその瞳を食べたい。 澄んだ瞳、穏やかな目つき。 たとえ侮蔑の視線を向けられようとも、私が思うのはそれだけ。 君のその頬をえぐりたい。 柔らかな肉付き、笑った時のえくぼ。 たとえ失笑されようとも、私が思うのはそれだけ。 君のその手を千切りたい。 しなやかな指、乳白色の肌。 たとえその指で掻きむしられても、私が思うのはそれだけ。 君のその声を潰したい。 透き通る声、心地よい声色。 たとえ罵詈雑言を言われても、私が思うのはそれだけ。 私の想いはあなたには届かない。 それでも私は、見守っている。 いつまでも、 いつまでも。
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