周回遅れのランナー

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周回遅れのランナー

「それにしてもさ。水島くんと陽菜乃が付き合い始めた時もビックリしたけど、まさか結婚までするとは思わなかったよね。」 「そうそう、陽菜乃って平原くんが好きなんだと思ってたのに、いつの間にか水島くんと付き合ってて、卒業しても続いてて、そのまま結婚だもんね。ビックリした。」 「そうそう、付き合うのも、結婚するのも、離婚も一番って?!」 「やだぁー」とか「きゃー」とか、みんなの嬌声が重なった。二人が同窓会に来ていないからといって、言いたい放題だ。 「ねぇ、優奈は陽菜乃と仲良かったでしょ?詳しいこと、聞いてないの?」  みんなの期待に満ちた視線が一気に私に集中して焦った。こっちが聞きたい位なのに。 「聞いてないよ。離婚も知らなかったし。」  私が何も情報を持っていないと分かると、興味津々な視線の波はスッと引いた。  水島くんと陽菜乃がつきあい始めるまでは、平原くんを含め四人で仲良くしていたけれど、その後は自然と集まる事は無くなった。  ただ度々、陽菜乃は水島くんとの事を聞いてもいないのに私に報告してきた。どこへ出かけるやら、水島くんがどれだけ自分を好きかっていう話ばかりで、正直いつまでたっても失恋の傷は癒えなくて、羨ましいばかりだった。
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