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Date…03/10/20**
淡い月明かりがカーテンの隙間から漏れる宵の刻。
「ハァ…ハァ…んんっ…あっ…ハァ…ハァ…。」
ベッドサイドの間接照明が暗闇である自室において、唯一視界を確保する手助けをしてくれている。
皺の寄ったシーツの上。
情欲によってそそり立った自らの性器を上下に扱く僕の口からは、しきりに吐息とまだ声変わりを迎えていない甲高い喘ぎが漏れている。
孕んだ熱を解放させるべく行為に従事する僕の視線が向けられている先にあるのは、ベッドに大量に散らばった写真たち。
「ハァ…ハァ……茨様…荊様…。」
全ての写真に収められているのは、それはそれは綺麗な双生児の仲睦まじく寄り添う姿ばかり。
この初等部の六年間で必死に収集した、僕の命よりも大切な財産だ。
明日は初等部の卒業式だと云うのに、深夜を迎えても尚僕はお構いなしに写真を鑑賞し、すっかり習慣化してしまったこの自慰行為にのめり込む。
抱き締め合っている二人。
酷く愛し合っている恋人の如く、指を絡めている二人。
互いの躰を密着させて、天使さながらに微笑む二人。
初等部における六年間で、決死の覚悟の元に盗撮した其の二人の姿に僕の心は相も変わらず昂り、躰は日に日に強い情欲を覚えるばかりだった。
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