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「でもさ。幸さんにしても、テッちゃんにしても、希望の職業に就けて夢叶えたわけでしょう? 幸せな人生じゃないの」
日付が変わり、ビールジョッキを焼酎入りのロックグラスに変えた美鶴がトークをまとめ始めた。途中参加しておきながら名司会者のような風情を醸し出せるのは、美貌もさることながら、持って生まれた才能なのだろう。
神様は、不公平だ。
「鞠世も、そうでしょう?」
そして、今日会ったばかりの人間を、いつの間にか呼び捨てにできるコミュニケーション能力の高さ……。
「私は、自発的に占い師になったわけではありません」
ん?
美鶴の対人力に感心していた千鶴は、鞠世の発言に梅酒を口に運ぶ手を止める。
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