妹の存在

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僕の名前は『氷室 樹希(ひむろ たつき)』、4年制の大学を卒業して東京都内の自動車メーカーに勤める27歳独身の平凡な会社員だ。 僕は毎日JR湘南新宿ラインで埼玉から都内の会社に通勤しているが、そのJR湘南新宿ラインの同じ車両に毎朝乗車する女性のことが気になっていた。 その女性は、髪を1つ結びでまとめていて目が細長で顔立ちが整った、いわゆる日本美人のような美しい女性で、ブラウスにスカートといった会社に勤めるOL風の感じだ。 毎朝その女性の顔を見るが、僕はその女性のことが気になってしかたがなく、ある日会社を休んでその女性の行き先を探ろうと考えた。 その日は金曜日で、僕は私服姿で毎朝乗車するいつものJR湘南新宿ラインに大宮駅から乗り込んだ。 女性が乗車するのは次の浦和駅で、この日もいつものようにその女性は僕のいる車両に乗り込んできた。 その女性は渋谷駅で下車するため、僕も一緒に渋谷駅で下車した。 その女性は山手線ホームからハチ公口の改札を出たが、僕は少し離れた位置から女性を見失わないように注意しながら同じ改札を出て、その女性の後をつけていった。 ハチ公口は最も人が混み合う場所で、この日も朝から多くの人がいて、その女性はこの人ごみに慣れているようですたすたと歩いているが、慣れない僕は人ごみをかき分けながら前に進むような感じだ。 僕は女性を見失わないように注意しながら歩いていたが、僕は団体の人ごみに紛れ込んでしまい、なかなか思うように前に進めない状況になってしまった。 やっと団体の人ごみを抜けたかと思った時、僕はいつの間にか女性の姿を見失っていることに気が付いた。 僕は人ごみを抜けて慌てて辺りを見回したけれど、女性の姿を見つけることはできなかった。 僕は今日何のために会社を休んだのか途方に暮れたが、女性が行ったと思われる方向にあてどもなく歩くことにした。 少し歩くと道路をはさんで対面の歩道上に女性が歩いているところを発見した。 僕は慌てて横断歩道を渡って女性の後をつけると、女性はJR線のガードレール下にある地下に下る階段を下りて行った。 階段の入り口には看板もなにもなく不安に思いながら僕も恐る恐る薄暗い階段を下りていき、地下の通路を少し進むと「時間旅行社」と書かれたドアがあった。
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