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母さんは、僕が学校でどんなにひどいイジメに会っているかを切々と語った。
学校から帰ると制服がボロボロになっているとか、髪が切られたり痣が絶えない事とか。しかも学校はそれをイジメと認めず、解決できないことに悩み抜いている事など。
けれど、いくら心配しても僕が取り合ってくれない事。
行政に相談しても、病院に連れて行っても、僕自身がイジメを認めないので、解決の方向が見出せない事。等々。
ただのふざけ合いの結果をイジメと断定して、針小棒大に延々と話している。
これはもう、その話が終わるのをボーっとしながら待つしかない。
「お願いです。もうすぐ受験なのに、このままじゃ本当に困るんです! 」
あまりの勢いに、仙道さんは言葉を遮るように言った。
「お話はよく分かりました。丁度良い者がおります」
そう言い、奥に向かって合図を送った。と、同時に少年が現れた。
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