空飛ぶ人魚症候群

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この町に降る雨はいつだって生ぬるい。 俺のかつての幼なじみ、氷水雪乃(ひみずゆきの)が越してきたのは、高校二年の時だった。 漫画のような転校生紹介の傍らで、彼女は俺と目を合わせると、 「戻ってきちゃった」 唇の動きだけで、そう語っていた。
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