名もない気持ち

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当たり前だったものが、一瞬にしてなくなってしまう。 そんなことを聞いた当初は、そんなことあるわけないとどこかでバカにしていたのを覚えている。 「んでさー、聞いてよ!元樹くんってばひどいんだよー?」 授業と授業には十分ほど空き時間がある。 これは学校では当たり前のこと。次の授業準備のための時間なのだから。 ただし、その時間には学校によって様々だ。 数分のところもあればもっと長い学校だって ある。 いや、そんなことはどうだっでいい。 大事なのはその時間をいかに有効活用するかだ。 「元樹くん?だれそれ。」 「もー!私の彼氏だよー!」 「あれ、熊本くんじゃなかった?」 「それ三人前の彼氏!!」 自分はいつもこの時間は素早く次の授業準備を終えて、残りの時間は何かしらやっている。 何かしら……と表現したのは、特定した何かをやっているわけではないからだ。 それに他に適切な言葉を知らない。 だから何かしらと表現する。
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