名もない気持ち

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「あのさぁ、あんたが我が儘すぎなんだよ。もうちょっと大人になろう?」 そうだ、止めろ。 友人、もっと言ってくれ。 知り合いでもない自分が言えることではないからな。 「あ。」 しまった。 次、教室移動じゃないか。 それにほとんど時間がない。 「あのねぇ?女は我が儘であるべきなのよ?」 「………あんたは我が儘すぎなのよ。」 『うぅん。あたしがお茶いれるよ!いつもありがとう!』 ふとあの子の言葉を思い出す。 いつもの台詞のように、当たり前のようにあの子は自分で動く。 それでも自分がお茶を入れたり、動くと頬を膨らませてぷんすこ怒って。 そんなあの子が微笑ましかった。
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