名もない気持ち

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しょうがない。 後で正直に伝えよう。 あと、クッキーでも買っておこうか。 彼女のことだから、自分の分まで資料をとってくれてるだろうし。 一時間以上時間あるし、近くのショッピングモールにでも行って、少しいいお菓子を差し入れしよう。 「さてと。」 人は目的が出来ると、なんやかんやで行動できるものなのか。 友人から聞いた当初はそんなはずはないと、目的なんて日々あるはずだから動けないことなんてないと思ってたのに。 自分がそれを実感するとは。 人生何があるか分からないな。 あ、そうだ。 行く前に………。 「すまない、ちょっといいだろうか?」 「なぁ……に………。」 「ん?自分の顔に何か?」 「いえいえ!!あ、あの、宇佐美さんですよね?」 「確かに自分は宇佐美だが…知り合いだったりするのだろうか?だとしたらすまない。自分は……君のこと、分からないんだ。」 なるべく人のことは覚えるようにしてるし、得意だったりする。 だから誰が知り合いなのか分かるのだが……この子たちのことは分からない。 くそっ。 まだまだ鍛練が足りない。 もっと覚える努力をしなければ。
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