名もない気持ち

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「違うっすよ。こっちが一方的に知ってるだけっす。」 「む。自分は芸能人ではないのだが…。」 「まぁまぁ。それよりなんすか?」 置いておいてよいのか? まぁ本題が大事だ。 「お礼を言いたいんだ。」 「う、宇佐美さまからお礼!?」 ………宇佐美"さま"? 「君たちの会話を盗み聞きしていてな。もちろん失礼なことを承知でだ。君たちの会話のお陰で自分の未熟さを知ることが出来た。」 む。 ぽかーんとした表情になっている。 これだと伝わらないか。 えぇと………。 「えっと…自分はモヤモヤしていたんだが、君たちの会話のお陰で、なぜモヤモヤしてたのか少しだけ分かったんだ。だから勝手に盗み聞きして、勝手に納得しただけなんだが…どうしてもお礼を言いたくて。ありがとう。」 「宇佐美さまぁ…。」 「アホな会話しかしてなかったんすけどね。まぁそれであの宇佐美さんの役に立てたならよかったっす。どいたまー。」 どいたまー………? 何語なのだろう。 今度調べてみよう。 (※どういたしましてを略しただけです。) 「邪魔をしたな。ではな。」 長居は無用。 これ以上邪魔をしてはいけない。
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