薄紫

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夕方。 見上げれば薄紫色の空。 ふいに、ひんやり冷たい風が頬を掠める。 瞬間、涙が出そうになった。 もうすぐ訪れる秋の気配に、胸がぎゅっと締め付けられる。 『忘れたいけど、忘れたくない』 滲む夕日。 一粒流れた涙を、風がさらってゆく。 やっぱりまだ…もう少しだけ、この夏が続きますように。
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