愛を確かめるための

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「やだ、急に何っ。……これじゃ、あっ、口できなっ」  いや、もちろん気持ちいいのは大好きだし、蒔苗に触れられるのは嬉しいけど、でも今アカリが求めているのはこれじゃない。身をよじって逃げを打つが、少し体がずり上がったところで意外にも器用な蒔苗の指はたやすくもっと弱い場所をとらえてしまう。 「蒔苗、蒔苗、何でっ」  胸の先をくりくりと刺激されて、もはや抵抗することもできない。アカリは自分がやろうとしていたことも忘れて与えられる快感に夢中になった——はずだった。 「明里は本当にここが好きだな」 「だって、おまえの触り方がやらし……ああっ……あれ?」  そこではっとして視線を下にやる。まだ軽く握ったままだった蒔苗の性器が、何だか様子が……。 「勃ってる! な、なんで?」 「やっぱり。言っただろう、俺のトリガーは明里の反応だって」  ——俺の、反応が、トリガー。  完全に勃起したペニスを見せつけてくる蒔苗はやはり変態としか思えない。ともかく、アカリの反応などというものが性欲のトリガーであるならば、自分はどれだけ喘がされ、泣かされる羽目になるのだろう。期待と不安に腰が震えた。  そして、蒔苗はアカリの期待に過剰なほど応えてみせた。  今日はシャワーを浴びていないから嫌だと言ったのに、蒔苗はアカリの体を表にして、それから裏にして、くまなく目と指と舌で確かめた。挿入前から二度もイかされ、もう無理だと思ったところで正常位で組み敷かれる。脚を大きく左右に開き、熱く硬いもので後ろを刺し貫かれるが、すでにここに至るまでで体力が限界に達していたアカリにとっては快楽も苦痛なほどで、ただ目を閉じて揺さぶられるままだ。 「明里……」  少しかすれた声が色っぽく耳を刺激して、アカリは目を開けた。そして、欲しくて欲しくて仕方なかった、あの燃えるような、獣のような瞳がそこにあるのを見た。途端、指先を動かすことすら辛いと思っていた体に熱が灯る。 「ほら、まだ勃つじゃないか」  自らの出したものでどろどろに汚れた性器が、またあさましい反応を示していることを、左右に膝を割られて確かめられ、アカリは羞恥に身悶えた。 「だって、蒔苗がそんな目で見るから。寝てるときの俺を見てるのと同じ目でっ」 「え?」  とっさに口にしてしまった言葉を後悔するが、もう遅い。 「なんでそんなこと知ってるんだ? 意識はなかったのに、まるで、見てきたみたいに」 「あ、あの、それは……」  言いよどめば続きを促すように強く奥を突かれ、ごまかそうとすれば浅いところをもどかしく擦って焦らされる。  結局アカリは蒔苗に揺さぶられ涙を流しながら、蒔苗の寝室にカメラを仕掛けて動画を隠し撮りをしたことから、その動画を見ながら興奮して一人自分を慰めたことまで、恥ずかしいことを何もかも洗いざらい打ち明ける羽目になったのだった。
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