けいた君

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「だ、だって、お前…し、死んで‥」 ぼくが、死んだ? 「なに言ってるの?ぼくは、けいた君の目の前にいるじゃないか」 ぼくを見てるし、話をしてるじゃないか。 死んだら、話出来ないよね? 「ははは…おれは暑さでやられて、まぼろしを見てるんだ‥。  そうにちがいない」 けいた君は、いきなり走り出した。 ひどいなぁ‥ぼくが、まぼろしなんて‥。 「まってよ」 「は、はなせよ!」 かんたんに、けいた君をつかまえることが出来た。 「どこに行くの」 「いててててて!」 にげないように、うでを強くつかんだ。 けいた君が、いたがってる。 へぇ‥そんなふうにいたがるんだ‥。 ぼく、こんなに力強かったっけ?
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