9人が本棚に入れています
本棚に追加
「よーし、たかしの家でゲームしよーぜ」
「ええ‥おれの家?」
「お前の部屋、広いからいいじゃねーか」
「ああ‥けいたの家、お母さんがきびしいんだっけ」
「‥なんか言ったか?」
「な、なんでもないよ。
分かった、おれの家に行こう」
みんな、たかし君の家に行くみたいだ。
えっと‥ぼく‥は?
「かずまは、どうするんだ?」
「たえれなくなったら出てくるだろ。
また、いじめるけどな!」
ドンッ!
「よーし、みんな行こうぜー」
足音がまた小さくなっていく‥。
ぼくを見つけてくれないまま行くなんて‥ひどいよ。
「‥‥ったくよ」
あれ?けいた君、まだいたんだ。
「なんで遊びに行くだけなのに、夏休みの宿題をみんなでするから
出かけていい?って、うそつかないといけないんだよ」
「‥‥‥」
「‥くそババアめ」
足音が、ゆっくりとさみしい音を立てながら小さくなっていく。
けいた君、みんなと遊びたかったんだね。
最初のコメントを投稿しよう!