ごみ箱の中

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「よーし、たかしの家でゲームしよーぜ」 「ええ‥おれの家?」 「お前の部屋、広いからいいじゃねーか」 「ああ‥けいたの家、お母さんがきびしいんだっけ」 「‥なんか言ったか?」 「な、なんでもないよ。  分かった、おれの家に行こう」 みんな、たかし君の家に行くみたいだ。 えっと‥ぼく‥は? 「かずまは、どうするんだ?」 「たえれなくなったら出てくるだろ。  また、いじめるけどな!」 ドンッ! 「よーし、みんな行こうぜー」 足音がまた小さくなっていく‥。 ぼくを見つけてくれないまま行くなんて‥ひどいよ。 「‥‥ったくよ」 あれ?けいた君、まだいたんだ。 「なんで遊びに行くだけなのに、夏休みの宿題をみんなでするから  出かけていい?って、うそつかないといけないんだよ」 「‥‥‥」 「‥くそババアめ」 足音が、ゆっくりとさみしい音を立てながら小さくなっていく。 けいた君、みんなと遊びたかったんだね。
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