僕の彼女は……

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―――そう、僕の彼女は誰もが認めるほどにサバサバしている。 勿論可愛くヤキモチを焼かれたことなんて一度もない。 僕が女性陣に囲まれていてもあっけらかんとしていて、ひどい時は『楽しんでね』と微笑まれた。 確かに彼女の笑顔は魅力的で一瞬ドキッとしたけど、貴重な笑顔をあんな場面で使って欲しくなかった。 用があれば話し掛けられるけど、それ以外は近付きもされやしない。 メールも基本僕からで、返信は業務メールそのもの。 ちょっとした思いつきで僕からのコンタクトを一切絶ったことがあったけど、それから1ヶ月間彼女と話すことはなかった。 どうやら僕が怒っているのだと思ったらしい。むしろあと1日でも君と接触できない日が続くようだったら涙で枕を濡らしていただろう。 一回本気で不安になった時があって、『本当に僕のこと好き?』なんて女々しいことをつい聞いてしまった。 誰にでも対応がいい僕に対して過去のガールフレンド達が口にしていた言葉。漸くその気持ちがわかった気がする。いや、あの時の僕はそれ以上に不安だっただろうな。 そしてそんな僕をよそに乙羽が返した言葉は『好きじゃなかったら付き合わないよ』……であった。 バカ、なんでそんなこと聞くの?と近年稀に見る照れ笑いにまんまと絆された僕だったけど、今思えばそれがどういう好きなのか疑わしいものだ。 なぜなら僕でさえ乙羽に出会って初めて、今まで付き合ってきた彼女達に抱いていた思いが全くの別物だったと気付いたのだから。 もし乙羽が僕に対して思う好きが恋愛感情ではなかったとしたら? この先本当に愛すことのできる男が現れたとしたら? そんなの絶対に嫌だ。 やっと運命だと思える女性に会うことができたのに。なんなら誓ってもいい、生涯君以上に大切にしたいと感じるようなことは何事に対してもないだろう。 試すようなことをして悪いと思ったけどわざと彼女の前で他の子と親しそうに話したこともあった。 しかし既にご覧になったように余計虚しくなるだけ。
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